仕事を終えて家に帰るとジョージ・ルーカスが正座をしている。
話を聞いてみると、どうやらジョージルーカスの次回作にどうしても出演して欲しいとのこと。 直々にお願いされ、『今の仕事に差し支えの無い範囲で』という約束で、僕は映画に出る事になった。 スタジオに行ってみると、用意されていたのは鉄の処女だった。 現場の空気に呑まれ、断る事が出来ずに鉄の処女で処刑される罪人役をこなすために針に刺される。 僕 「イターーーーーー!!」 痛みで目が覚めた。 夢だった・・・。 が、ベットを見ると蟻がたくさん這い回っている。 コイツらに刺されたせいでこんなわけのわからない夢を見たのか・・・。 僕 「ンダヨ、モーーーッ!!」 朝からベットにいた蟻を一匹一匹指先が白くなるほど強い力で捻り潰した後で、煙草を吸おうと思いベットの脇にあったテーブルに手をのばす。 僕 「ウワッ!!」 思わず絶句をする。 昨日の夜、寝る前に部屋でビールを飲んだ。 酔っ払った僕は当然、空き缶を片付けることなくベットの隣にあるテーブルに置いたまま寝入った。 その空き缶に蟻が黒々と集っているではないか。 ミャンマーの蟻は彦麻呂以上に食に対する執着心が強い事を目が覚めた10分後に学ぶ事になった。 この日は、自分の意思とは裏腹に体のいたるところに赤い斑点を彩りながらポッパ山に向かうことになった。 バガンの南東50kmにあるポッパ山。 ポッパ山は25万年前に活動を停止した標高1518mの死火山でミャンマーの土着宗教であるナッ信仰の聖地とされている。 ミャンマーでは、古来の神々や自然界の精霊のことを「ナッ」といい、こうしたやおよろずの神々の中でもとりわけ「37」のナッ神が、人々からの深い信仰を集めている。 ポッパ山では、マハーギーリ・ナッが祀られている。 マハーギーリ・ナッについて少し説明を。 昔、エーヤワディー川の上流にタガウンという国があり、マァゥン・ティンディーという怪力の鍛冶屋がいた。 彼が鍛冶を打つと国中に地震が起きた。この怪力を恐れたタガウン国王は、鍛冶屋のマァゥン・ティンディーを恐れ、殺そうとした。これに気づいたマァゥン・ティンディーは森の中に身を隠す。 そこで王は、マァゥン・ティンディーの妹を妃にし、マァゥン・ティンディーを王宮に呼び寄せる。 王宮に参上したマァゥン・ティンディーは捕らえられ、妹の見ている前で金剛樹に縛り付けられ焼き殺され、これを見た妹は悲しみのあまり、自らも燃えさかる炎に身を投げ焼死。 その後、この兄弟の霊はナッ神となって金剛中に宿る。 それからというもの、暑さを避けて金剛樹の樹影に入るものは人間、牛、馬であれ兄妹ナッ神の怒りにふれたちどころに死んでしまった。 これを恐れたタガウン王は、その金剛樹を引き抜きエーヤワディー川に流した。 これを下流のバガン王が拾い、その樹で兄妹ナッ神の像を造り、ポッパ山に祭った。 平たく言うと、地縛霊となった兄妹の霊を鎮めるために祭ったといった感じだろう。 なんでこんな迷惑な神様を崇拝するのかはわからないが、日本でも菅原道真は死んだ後、雷神となって暴れ回り、その怒りを鎮めるために建てられた北野天満宮では学問の神様とされているので似たようなものなのだろう。 さて、話を戻します。 ポッパ山はバガンから車で約1時間。 結局、誰ともシェアする事が出来なかった僕は、車のチャーター代20ドルを払い、ポッパ山に向かった。 が、ものの5分で車が止まる。 僕 「どうしたの?」 ドライバーに尋ねる。 ド 「俺の家族も乗っけていくからちょっと待っててくれ。」 予感が的中した。 僕一人を乗せるにしては大きなワゴン車。 もし仮に、僕以外にシェアする人が4人もいればこの家族は車に乗ることが出来なかっただろう。 しばらく待つと、ドライバーの家族が車に乗ってきた。 僕 「ミンガラーバー(コンニチワ)。」 家 「ミンガラーバー。」 ドライバーの奥さんとそのお母さん。 二人とも綺麗な人だった。 ただ、英語を喋る事が出来ないため、ドライバーを通訳に挟みながら会話をかわし、ポッパ山に向かう。 ド 「なぁ、ピーター、日本の女の子って可愛いよな。」 家族が英語をわからない事をいい事に木下大サーカスのような話をふってくる、ドライバー。 来世は間違いなくカブトガニだろう。 ![]() そうこうしているうちにポッパ山に到着。 ![]() 山の麓は参拝者で蟻塚のような状態になっている。 ![]() 777段の階段を裸足で登る。 頂上までの道のりは長いが、途中にお堂のようなモノがチラホラとあるのでとりあえず階段を登るだけといった単純作業にはならない。 でも、シンドイ。 階段を登っていると話しかけられる。 ホウキを持って通路を掃除していた人だ。 掃 「掃除をして綺麗にしたからお金をくれ。」 相手にしないで通り過ぎた次の瞬間には、そこらじゅうで暴れまわっている猿に威嚇をされたりする。 ![]() かなり凶暴。 とにかく数が多い。 そうかと思えば、お供えをする花を買って欲しいなどど言い寄られたりもする。 まあ、お供えはしてみたかったので花を買って山の中間地点くらいにあったお堂の中に入っていく。 さっきまでダラダラと世間話をしていた僧侶の表情が、花を買った瞬間に変わる。 笑顔でお辞儀をされ、お堂の中に案内される。 僧侶が花をナッ神の口に何度か触れさせたあとで 花を供える場所を指示される。 ![]() 花を供え終わると、お経が始まる。 お祈りの仕方を教わり、言われたとおりにお祈りをすると僧侶の顔は嬉しそうに微笑んでいる。 ![]() お祈りをしたナッ神。 良く見てみると ![]() 鬼のような顔をしたものを被っている。 服がどうにも似合っていない感じがする神様もいる。 ![]() 飼い主に溺愛され、ラインストーン入りの服を着ているチワワのように見えた。 ![]() お祈りを終え、山の頂上に向かう。 ホウキを持っている輩がやたらといる。 目が合うと、突然階段を掃き始め、綺麗にした代を請求してくる。 お金が貰えないとわかると掃除をするのをやめる。 もし、ドラえもんがいたらきっとコイツ等は、あーだこーだと言い訳をしてのび太君よりも貪欲に道具を出させるんだろうと思った。 ![]() 山の頂上からの景色は期待を裏切らない程度にまあまあ。 山頂にはお堂が幾つかあり、 ![]() 中に入ると、 ![]() お祈りをするミャンマー人で芋洗い状態になっていた。 ポッパ山からの帰り道、ドライバーの知り合いの家によって椰子酒を飲む。 ![]() この椰子酒は、寝かした時間によってワインのような味にもなるし、焼酎のような味にもなるし、どぶろくのような味にもなる。 わかりやすく言うと、友達から家の近くの文化ホールにモノマネタレントが来るよと言われて見に行ってみたら清水アキラで、下ネタ満載のモノマネを見ていたら、淡谷のり子のようなリアクションをとるしかなかったような感じ。 ようするに、美味しくなかった。 ![]() 牛がゆったりと回転することによって、臼の中の椰子の実をつぶす。 椰子酒は美味しくなかったので、テーブルに置いてあった葉巻を貰って吸ってみた。 ![]() 味は悪くないが、吸っていると頭が痛くなってくる。 頭が痛くなったことをドライバーに伝え、ゲストハウスに戻った。 ![]() ↑クリックするだけで、 無料で募金ができます。 ![]() ↑参加中のブログランキング。 ![]() |
サンセットを見るために、ブーパヤー・パヤーに向かう。
ブーパヤー・パヤーに着くと船の運転手が待ち構えていた。 運 「さあ、行こう。」 言われるがままに後について行く。 ![]() 一人で船を貸しきってサンセットを見に行く。 お腹を六つに割りたくて、ハンマー投げの室伏にフィジカルコーチとして雇い、筋トレをするくらい贅沢な気がした。 が、 ![]() 出航早々、船を繋ぐ為の係船棒にぶつかって壊す。 運転手を見ると笑ってごまかしている。 椅子にグッテリと寄りかかって、船を独り占めしている余韻に浸りながら煙草を吸う。 その五分後、頭の中に疑問が浮かんできた。 船に一人で乗ってサンセットを見たところでどうなんだろう。 貸し切る必要は無かったんじゃないんだろうか。 サンセットが見たいわけじゃなくて、船に乗る事が好きで乗ってるだけだし。 そんな事を考えていると、運転手から話しかけられた。 運 「サンセットまで時間があるから、川沿いにあるウェッヂーイン村の寺院に寄ろう。」 ウェッヂーイン村の寺院に着くまでには少しだけ時間があるらしいので、川の風景の写真を撮ることにした。 ![]() ![]() ![]() 何枚か写真を撮っていると、運転手から話しかけられる。 運 「あれだ、あれ、あの写真を撮ったほうがいい。」 運転手の言われたとおりになんだかわかならいまま、運転手の指が差すほうにカメラを向けて写真を撮る。 ![]() 僕 「あれは何なの?」 運 「あれは、風呂に入ってるんだ。ミャンマー人は川が風呂なんだ。」 運転手は笑顔で答えた。 何故か、ミャンマーにて人生初の風呂場の盗撮を経験する。 別に男の人が風呂に入っている所の写真でもいいんだけど・・・。 サービス心が余計なところまで行き届いている。 痒いところに手が届くのではなく、痒いところはおもいっきり引っ掻いちゃえば痛くなって痒くなくなるじゃん的なサービス。 今すぐこの船に人間魚雷がぶち当たらないと来世は殿様バッタにでもなってしまう気がした。 運 「ホラ、あそこ、あれも風呂に入っている。写真を撮れ。」 またもや女の人。 運 「近くによるから待ってろ。」 過剰なサービスに船の上を前後左右に徘徊したい衝動に駆られる。 船は体を洗っている女の人たちに可能な限り、近づいていく。 写真を撮ることを躊躇っていると、 運 「ホラ、撮れ、ベストショットだ。」 と、出陣前の武田信玄のような形相で迫ってくる。 しょうがないので、写真を撮る事にした。 ![]() 写真を撮った後で女の人たちと目が合う。 なんだか気まずいので、目を反らしながら心の中でゴメンなさいと謝りながら、旅の恥は掻き捨てという自分にだけ都合の良い言葉が頭の中をグルグル回っていた。 するとどうだろう。 女の人たちの10mほど先に船が着岸した。 運 「着いたぞ、さっき写真を撮ったところの階段を登っていけば、ウェッヂーイン村だ。」 オイ、その階段を登るには、さっき一日の垢を落としていた女の人達の所に行かないといけないじゃないかよーーーーー!!!! 運転手の顔面にダース単位でパンチを浴びせたくなった。 案の定、川の水でしっとりとした布1枚をまとった女の人達の前を通るとビルマ語でキャハキャハと笑われながら話しかけられた。 階段を登ると、寺院があった。 ![]() 運転手曰く、バガンで一番古い寺院らしい。 ![]() 寺院は木製で老朽化が進み、木を打ち付けている釘が元気良く飛び出している。 釘が出ている箇所を見つけては、 運 「気をつけろ。」 と声がかかる。 確かに、気をつけないで歩くと足がスプラッター映画のように血みどろになってしまいそうなくらい釘が出ている。 さらに寺院の中に入ると、訪れる観光客が少ないせいか明かりが全く無く、懐中電灯で照らしながらではないと歩く事が出来ない。 寺院の中にある仏像も傷んでいる。 ![]() ![]() 寺院の外に出ると物売りの子供達が待ち構えていた。 ![]() 子 「絵はがき、5枚1ドル。」 僕 「いらないよ。」 子 「じゃあ、キャンディーかボールペンが欲しい。」 ポケットの中を探ってみると、成田空港で買ったのど飴が入っていた。 子供達にのど飴を渡すと、目をキラキラさせながら喜んでいる。 可愛らしかったので、一番小さな子を写真に撮ろうと思い、カメラを向けると涙目になる。 ![]() 写真が撮り終わると、何事も無かったように喜んで跳ね回っている。 運 「君は子供達のヒーローになっているよ。」 笑顔で話しかけてくる運転手。 のど飴だから美味しくはないんだけどなぁ、とは言えない空気になっていた。 船に戻ろうかと思い、運転手と歩いているとオレンジ色の袈裟を着た僧侶と遭遇した。 運転手は、スコールの降った後でドロドロになった後の地面に迷うことなく膝をつきお祈りを始めた。 ある種の独特の雰囲気を纏っている僧侶。 高倉健と渡哲也を足して2で割らないくらいの存在感がある。 呆気にとられて、ただただ僧侶を見つめているとコチラをチラリと見た後で歩いていってしまった。 運 「あの方は、この辺りでとても偉い僧侶なんだ。」 運転手はいかにもありがたいといった表情で、船に向かって歩き始めていた。 再び船に乗り込み、写真を撮る。 ![]() ナイロンで編んだ米袋を縫い合わせたモノを帆にしている船。 あいにくの曇り空で、サンセットを見る事は出来なかった。 ![]() ![]() 船を降り、ゲストハウスに帰る。 シャワーを浴びた後で、ご飯を食べる事を約束をした二人待つ事にした。 ゲストハウスのベランダに出て、煙草を吸っているとスコールが降ってきた。 こんな雨の中でも、あの二人は来るんだろうかと思いながら二人を待つ事30分。 現れる気配が無い。 ミャンマー人は日本人と違って時間の認識がゆったりしているのかもしれないと思い、さらに待つ事30分。 すっぽかされた。 あれだけ喜んでいたから、絶対に来ると思っていたのに。 ガッカリしながら、一人でご飯を食べに行く事にした。 歩きながら、地元の人がたくさん入っているお店を探す事にした。 少し歩くと、他の店とは比べ物にならないくらい地元の人が入っている店を見つける。 この店は美味しいに違いないと思い、店に入ると、店の中にいたミャンマー人4,50人の視線が一斉にが注がれる。 店員がビルマ語で話しながら、近づいてくると店内が大爆笑に包まれる。 雰囲気から察するに、少なくともかつみ♥さゆりよりも面白い事を言った事だけはわかったが、いかんせんビルマ語だっただけに良くわからない。 店員に話しかけると英語があまり通じない。 周りからは野次らしきものも飛んでくる。 旅の指さし会話帳を駆使して店員に話しかけると、どうやらこの店は喫茶店らしく食べ物は無いらしい。 ガックリとうなだれて他の店を探そうと思ったものの、どうにも足が重い。 しかたなく近くにあったイタリア料理の店に入る事にした。 やりきれない僕は、この店でビールをたらふく飲み、酔っ払いながらゲストハウスに帰った。 僕は旅行に行ったときに今回のような旅行記を書くために、その日に起きた出来事を忘れないために簡単なメモを取る。 この日もベロベロに酔っ払いながらもメモを取っていた。 その日のメモを見ると、ただ一言こう書いてあった。 FUCKの正しい使い方を知った。 だった。 その後、ミャンマーの洗礼を余すことなく受けるとはこの時はまだ気づいていなかった。 ![]() ↑クリックするだけで、 無料で募金ができます。 ![]() ↑参加中のブログランキング。 ![]() |
|
Powered By FC2ブログ. copyright © ピーター・クリンチが排水溝に詰まる All Rights Reserved.
|













































































