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法事

長らくご無沙汰してました。

さて、近況を書きます。
先日、親戚の法事で埼玉の仏子に行ってきました。

前日、父親と電話で話し、池袋で待ち合わせる事になっていた。
西武池袋線の改札口で、待ち合わせ時間は10時07分。
この中途半端な待ち合わせ時間には父親の独自の理論によるものだった。

さかのぼる事、14時間前。
僕は父親と電話をしていた。

僕 「随分、中途半端な時間だけど10時07分の電車に乗るってこと!?」

父 「アアッ!? そんなわけないだろ。電車を乗り換えるのに俺が10時07分に改札口に着くからだよ。だいたい10時07分の電車に乗りたかったら10時07分に待ち合わせたら間にあわねーだろ。何言ってるんだ!?」

僕 「じゃあ、10時10分に待ち合わせでいいじゃん。」

父 「いいんだよ。10時07分に改札口にいろよ。」

納得はいかなかったものの、面倒だったので10時07分に待ち合わせをする事になった。

そして、当日。
折り紙のような几帳面に時間を指定した父親が改札口に現れたのは10時15分だった。
遅刻した事に1mmも反省する様子も無い父親が発した第一声は、

父 「腹減ってねーのか?」

だった。

僕 「減ってないし、減ってたとしても今から飯食ってたら法事に遅刻するよ。」

父 「でも、今喰っとかないと昼飯までに腹減っちゃうだろ。」

どうやら、自分が何かを喰いたいらしい。
ビール腹に手を当てている。

僕 「いいから、行くよ!!」

父 「何か喰っといたほうがいいと思うんだけどなー。」

もし、父に説明書が付いているとしたら、【炎や火気の近くで使用しない事】と書いてある気がした。

切符を買って改札口を通過すると、さらに三半規管に突き刺さるような独自の理論を全盛期のブライアントのように大振りしてきた。

父 「よし、電車の前のほうに乗るぞ。」

僕 「なんで!?」

父 「そりゃ、前に乗った方が早いからだよ。」

ハリウッドのアクション映画のようなスピード感で電車の前の方へ早歩きをしていく父、58歳。

僕 「いいよ、ここに座ればいいじゃん。」

父 「駄目だ。前に行くぞ。前に乗るんだ。」

久しぶりに会ったというのにものの10分で、疲れる。

15mほど歩くと突然立ち止まる、父。

父 「よし、じゃあココに座るか。」

座った席は、電車の前から3両目。
歩くのが面倒になったらしい。
そこに山は無かったのだからしょうがない。

もし、アインシュタインが僕の父親の複雑な力のベクトルの向き方を見たら、それをヒントにして人類にとって有益な何かを作り上げていたに違いない・・・。

電車に揺られ、仏子に到着。
駅から墓まで歩き、法事が始まる。

坊さんのお経を聞きながら、今回の法事の主役である【故】叔母さんを思い出した。
叔母さんはとてもパワフルな人で、芸能人なんかも顔を出す某料亭の偉い人で、羽振りのいい人だった。

叔母 「この前、たけし軍団が来たのよ。たけしは羽振りが良かったわよー。」

叔母 「草刈正雄が来たのよ。黙って飲んでるだけでもホントいい男よ、あの人。」

叔母 「光GENZIの諸星は調子が良かったわよ。」

などど、多感な少年期を過ごす僕には、好奇心を大いに刺激されたものだった。

気がつくと、坊さんの義務的なお経はいつの間にか終わっていた。

移動して、『精進落し』なる食事会が始まる。
僕の親戚には酒豪が多く、あれよあれよという間に大量の酒が運び込まれる。

ココは、石原組の忘年会かと錯覚するほどの酒。
宴が始まった。

元船乗りで自称世界中の女を虜にしたという叔父さんは、右手に悪魔の取り付いた少年ような手つきでブルブルと震えながらも周りの静止を聞かずに酒を大量に口に運んでいる。

かと思えば、叔父さんの弟は再就職先の草むしりの仕事の愚痴をこぼしている。

弟 「草はなー、むしってもむしっても生えてくるんだよアイツらは・・・。」

焼酎を片手に草むしり談義に全力を注いでいる。
親戚の話に適当に相槌を打っていると、妙齢のマダム達に酒を注げとせっつかれる。

マ 「あなた、TVで見たことがあるわ。」

と、ヘイケボタルのような顔で迫ってくるマダム。
芸能人の誰々に似ているなんて言うのがまどろっこしいのか、一段飛ばしで駆け上がるマダム。
音速の貴公子の再来だった。

マダムの話をよくよく聞いてみると、息子が優香のヘアスタイリストをしているらしい。

マ 「息子をよろしくね。」

と、トンチのようなお願いをされたのでこれからはTVで優香を見たら、今日の髪型は可愛いなーと思うことに決まる。

宴もようやく終了し、父と共に新木場行きの電車に池袋を目指して乗り込む。
酔っ払った父は、新木場行きの電車が新木場にしか着かないと勘違いをして駄々をこね始める。

父 「俺は池袋に行きたいんだ。新木場には行きたくないんだよ、降りるぞ。」

僕 「この電車は終点が新木場なだけで、池袋にも着くから。」

父 「そんなワケねえだろ。さっきから新木場行きって放送してるじゃねえかよ。」

僕 「だからさー、池袋に寄った後で新木場に行くんだってば。」

父 「嘘ついてんじゃねえぞ!?池袋から帰らないとモモちゃんに会えないじゃねえかよ。俺は降りて別の電車に乗る。」

『モモちゃん』

モモ


父が溺愛するピーター家の犬。

隣に座っていた人は『モモちゃん』という単語が出てから僕ら親子の会話を興味深そうに聞き耳を立てている。

その後も人間山脈として壊れたレコードのように『モモちゃん』を連発しながら池袋に行きたいと言い続ける父、58歳。
途中で電車から降りないように、指先が真っ白になるほど力を込めて父の袖を握り締めている内に池袋に到着。

教訓

もともと地上に道はない 魯迅

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